雑穀と地名の関係
日本で昔から栽培されていたアワ、ヒエ、キビですが、民俗学者の話によれば、この雑穀は地名としても多く使われていたそうです。(歴史の教科書をお持ちの方はぜひご覧ください)
まず、アワが多い国は、阿波の国(現在の徳島地方)、そしてヒエが多い国は、閉伊の国(現在の岩手県北地方から青森県三八地方)、最後にキビが多い国は、吉備の国(現在の岡山県、広島県地方)と呼ばれていました。
意外に耳になじみ深い地名もあるかと思いますが、地名になるほどの特産物として、雑穀は各地で作られていたのですね。
また、別の民俗学者によれば、
「雑穀の語源は、ヒエは気温の冷えに耐えること。アワは味が淡いことからきているのではないか…」
といった説もあるそうです。
確かにヒエは東北を中心に広がっていて、冷えに弱いイネが稔らない冷害の年にも、ヒエやアワは収穫することができます。
米よりも雑穀の方が強い、としばしば言われますが、このように、北国においては、雑穀は人々を飢えから救う「救荒作物」だったのです。
雑穀産地の代表的な岩手県内では、二戸群、下閉伊群、稗貫群などがありますが、いずれも「へ」「へい」「ひえ」の付く地名であり、このことからも、雑穀は貴重な食糧であり、日本人の生活の中で深く結びついていたことがわかります。
ちなみに私の住んでいる町は稗田町というのですが、”ヒエ”が含まれているせいかどうか、家の周りは田んぼばかりで、素敵な景観となっています。