雑穀米と自給自足
今でこそ色々な食材を年中食べられるように、ビニールハウスや、どの季節にも適応する品種改良をしたものが多く出回っていますが、昔は四季によって収穫量が大幅に違ったので、今でも「旬のもの」と呼ばれる野菜や魚があります。
しかし、お米、雑穀は保存がきくので、農家の人々にとって、献立の主役はおかずではなくごはんでした。
また、農家にとって白米とは、高い値段で売れる商品であり、現金収入を得る貴重な作物だったので、1950年代ころまで、農家では白米だけのご飯を食べることはあまりなく、米に麦、雑穀のアワ、ヒエ、豆や野菜などを混ぜて食べていました。
次に記すのが、農家の春の献立の例です。
朝食:麦ごはん、だいこんのみそ汁、漬物
間食:干したさつまいもの粉のだんご、漬物
昼食:麦ごはん、漬物、塩ザケ
間食:雑穀おにぎり、漬物
夕食:煮込みうどん、きんぴらごぼう
間食が多いのは、畑仕事が重労働だったからで、これを見ると、おかずはほんの少しで、あとは雑穀米、というのが基本だというのがよく分かります。
また、漁家では獲ってきた魚の、売り物以外がおかずになったので、白米は主に町で食べられ、生産者は自給自足の生活だったのです。
収穫時期が決まっている作物や、商品になる白米とは違い、雑穀米は生産者の生活と健康を支える重要な柱だったことがよく分かります。